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バスタブは白色でまるみをおびた長方形の形をしている…
サイズは普通の一般家庭にある物ぐらいで、身長173㎝の哲男だと足を曲げないと肩までつかることは出来ないだろう…それぐらいの大きさだ…
残り時間は1時間15分ある…あるが…
包丁を刺し13回自殺するという快挙を成し遂げた哲男だったが、どうしても窒息死出来るとは思えなかった…
今まで13回…ただひたすらに刺して刺して刺しまくってきたが…それを決行する前からこのバスタブで窒息死することがとても気がかりだった…
眠る前に一度窒息出来るか試してみたが…あの時に悟ってしまったのだ…どうあがいたって我慢できるわけがないと…
「ヒツギ…お前はここで殺人者が自殺するのを今まで何度も見て来たんだよな…」
「えぇもちろんです、今まで数えきれないほどの自殺を見てきました、そして数え切れないほどの悲鳴や苦痛にもがき苦しむ表情も幾度となく見てきました、みなさんとても素晴らしい鳴き声を出して死んでくれるのです」
とても楽しそうに語り出す…
「そんな話はどうでもいい…今まで窒息して自殺出来た奴を見たことがあるか?」
「はい」
もしかしたらそんな超人はいないかもしれないと半分あきらめていたのだが…かすかに希望の光が差し込む
「そいつはどうやって窒息したんだ!?」
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