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ペッ!!!
カランカラッ!!
口に咥えていた包丁をバスタブの外に吐き出す…
右腕を完璧に切断する事は出来なかったが、すでに右腕は全く動かす事が出来ずに、本来の機能を失っていた…
右腕はズタズタに刺され機能停止…
左腕は切断…
右足も切断…
左足も切断…
そして血まみれ…
あまりにも…あまりにも無残な姿…
その無残な姿でかろうじてバランスをとりながらバスタブの上に座っていた…いや…それはもう座っているとはとてもじゃないが言える状況ではなかった…
真っ赤に染まった赤い風呂を見つめながらしゃべりだす…
「ヒツギ…」
「はい」
「お前は…天国とか…地獄とか…ないって…言ったよ…な…」
血が足りなく意識がもうろうとしていて、言葉がたどたどしく今にも消えてしまいそうなか細い声だったが、それでも哲男はしゃべり続ける…
「ほら吹きが…ここが…地獄だろ…」
赤に染まったバスタブの中を見つめながらしゃべり続ける…
「血の池地獄じゃねぇか…」
そして哲男は堕ちていった…
血の池地獄に
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