1563人が本棚に入れています
本棚に追加
さらさらさらさら…
砂の量は残り僅かだったが…確かに…砂はまだ流れていた…
ふっふふふ…くっくく…
「やっ…た……やったんだ…ふっふふふふふくっくくく…」
「やった!!!やった!!!やったやったやったやったやったやったやったやった!!!やったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!おっ!!!俺は!!!俺はやったんだ!!!死ねたんだ!!いょっしゃああああああああああああああ!!!」
心の底から喜び、そして心の底から大声をあげ、ガッツポーズを何度も繰り返し自分で自分を祝福した…
パチパチパチパチパチパチパチパチ
その歓喜に沸きあがる哲男の声に重なるようにヒツギは拍手をした
「おめでとうございます哲男さん…本当に…素晴らしい、諦めなくて良かった…こんな素晴らしい死に方で死ねるなんて…あなたは自分を誇っていい」
そう言い終わると砂時計の砂はすべてさらさらと下に落ちていった…
「どうだ!!!ヒツギ!!!すげぇだろうが!!!」
哲男はとても興奮していてヒツギに抱きつこうとした…
がやはり、ヒツギの体はすけて哲男には触ることが出来なかった…
「ふふふっ何をやっているのですか?ふふっまったくあなたって人は」
「あっはははははは!!!いやぁすまねぇすまねぇ!」
どんな形であれ自分の事を祝福してくれているヒツギとこの喜びを分かちあいたかったのだ…
「はぁ…やっぱ俺ってすげぇよな!普通の人間だったら死ねないんだろ?」
「えぇもちろんです…普通の人間だったら…制限時間までがたがた震えているだけで、死のうとなんて考えませんよ、あれは見ていて本当にみっともない…それに比べて哲男さんはいいお手本になれますよ」
「おいおい!勘弁してくれっ!もう死ぬのはこりごりだって!」
楽しそうに笑いながら会話をする二人…この素晴らしい喜びを分かちあえる仲間がいて哲男は素直に嬉しかった…例えそれが死神だったとしても…
最初のコメントを投稿しよう!