死後

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普通にこのスーツのモデル女の話を聞いていたら、頭のイカレタ電波女の戯言だと相手にしなかっただろうが、状況が状況なだけに、男は信じざるおえなかった。 「死神?やっぱり俺は死んだのか…じゃぁなんだ?ここは天国じゃないってさっき答えたが、これから天国に行くのか?」 ヒツギは答えた。 「天国?あなた、自分があれだけの事をやっておいて、よく天国に行くだなんて軽々しく口にだせますね?宮城哲男さん」 当たり前のように自分の名前を呼んだので、哲男は少し驚いたが、死神だというのだから知ってて当たり前なのだろう。 そんなことを考えるよりもまず先に、この言葉が口からでた。 「じゃぁ俺は地獄に行くのか?」 さっきまでの強気な態度からは一転、不安そうな声でそう聞くと。 「14人も強姦して殺しておいて、天国に行けるなんてまさか思っていたのですか?」 その言葉を聞いた途端、哲男はいままで経験したことがないくらいのショックを受けた。 まるで、今の言葉が鋭利な刃物にでもなって、哲男の胸を突き刺したように。 「そんな…嘘だ…嫌だ…行きたくない…地獄になんか行きたくない! お願いだ! 助けてくれ! 頼む! 嫌だ! 嫌だ絶対に嫌だ! お願いだ! なんでもするから助けてくれ! なぁ頼む! お願いだ! 嫌だ! 地獄は嫌だああああああああ!!」 涙と鼻水にまみれながら、必死に助けてくれと懇願し、無意識にヒツギの腕をつかもうとした。 しかし、ヒツギの腕には触れられずに、バランスを崩して哲男は倒れてしまった。
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