白の楽園

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白の楽園

その大地は 白い白い雲でできていて そこは 早足で歩けば汗がにじみだす頃に 一周し終わる程度の広さで あたたかくも 寒くもなく お天気は いつも晴れ 上を見上げれば 果てなく青い空 下を見下ろしても 果てなく青い空 純白の花が咲き並ぶ花壇は 誰にも荒らされることなく 小さな噴水からは 七色の水が噴き出し 日光を受けてキラキラと輝く 庭の洒落たテーブルには 向かい合わせに置かれた 2脚の椅子 けれどテーブルは満席になることはなく わたしはそこへ一人かけては ぼんやりと天気のことを考えたりする わたしには 老いもなく 成長もなく 寂しさもなく 楽しさもなく 空腹もなく 満腹もなく 泣きも 笑いもしないけれど いつでも アルカイックスマイルを浮かべ 止まっているのか 進んでいるのかわからない時間を過ごす 朝になれば 目を覚まし 昼になれば 花々に虹色の水を与え 夜になれば 白のぬいぐるみに囲まれて眠る 単調で穏やかな生活が続く 白の楽園は そんなところ
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