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「あ!」
ルルアンタが何かを思い出して叫ぶ。
「どうしよう! ルルアンタ、もうそろそろ戻らないとアイラに心配掛けちゃうよぉ!!」
日も暮れて、そろそろ夕飯の時間である。
「あらあら。残念ですわ…この後、お暇なら一緒にお茶でも、と思いましたのに」
頬に手を添えて、淋しがるティアナ。
「ティアナ様。だからあと二つのお願い事は今度でも良いかなぁ? ルルアンタが帰らないとアイラ飢え死にしちゃうんだぁ…」
「それは一大事ですわ! 会長様、早くお帰りにならなくては!! 可愛らしいアイラ様が死んでしまったらこの世界の損失で大陸の均衡が崩れてしまいますわ!!
でも、その前に二つ目のお願いはコチラをお受け取り下さることですの」
王女は『とあるモノ』を取出し「コチラがあれば私の部屋までの出入りが出来るようになりますわ」と会長に手渡した。
「えぇ? コレで!?」
「ハイ!」
満円の笑みを浮かべながら王女は会長へ貢ぎ物を渡す。
「是非ともご活用くださいませ」
それを受け取り「??」と頭に浮かべているルルアンタ。
「最後のお願いは次回にしますわ。今日は会長に出会えてティアナ、光栄でした…」
少しばかり頬を紅く染める王女。
「うん! ルルアンタもティアナ様に会えて良かったよぉ♪」
そうしてルルアンタは新しい称号を得て‘水の微笑み’と慕われるようになったアイラの待つ宿へ帰っていった。
THE END.
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