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――ある昼下がりのこと。
「――えぇ!!
ぁのゼネテスさんがお貴族様でしかも婚約者がいるっていうのぉ!!」
宿屋の一室で小さな女の子特有の高い可愛らしい声が嘆いている。
『うん。エリス様の娘ティアナ王女と婚約しているんだって♪』
いつものごとくニコニコと嬉しそうにルルアンタに報告をするアイラ。
(そんなのダメだよぉ! だって、だって、だってゼネテスさんにはアイラがいるんだからぁ!!)
その当人は気にする様子もなくルルアンタに今日あった出来事をお話できてご機嫌な様子である。
『ティアナはね。昔ね、ハンナの人形を返してくれたの。すっごくいい子なんだよ』
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