忘却 (TOD2小説/ノーマル/恋愛無/エロ無)

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「んーっ……風が気持ち良いなーっ」 甲板で背伸びをするリサ その後ろには呆れた目でリサをみるジューダスの姿が 「船に乗る前は散々嫌だと入っていたわりに嬉しそうだな」 『ほんと、なんであんなに嫌がってたんですか?』 リオンの呆れた声に続いてシャルの声がリサの頭に響く リサはうーっ……と唸って視線を彷徨わせた そしてごにょごにょとなにか喋る 「だってーっ…………………だもの……」 「……肝心なところをもっと大きく話せ、僕に聞こえないだろう」 リサはもう一度視線を彷徨わせると、意を決してまた口を開いた 「だって、ハイデルベルクにいって、ウッドロウが英雄だったら、みんなと……うぅん、ジューダスやシャルともう居られないんじゃないかと思ったの。折角また会えたのに……」 ぎゅっと手を握って視線を下へ向けたリサ 彼女はジューダスがリオンとして生きていた頃に、一緒に神の眼を追った仲間だった リサは神の眼が消えると共に自分の世界へ一度帰った そのときに人々のなかからリサの記憶は消えた そのリサが今この世界にいるのは、なんらかの形でまた引き込まれたからだった そこで、彼女はジューダスとなったリオンと再会することとなったのだ 「きっと旅が終わったら、私はまた皆の記憶から消えちゃう。私がいた証は何も無くなっちゃう……。おぼえていてくれたのは、ジューダスとシャルだけだったから……」 もう、わすれられてしまうのは嫌だと、零すリサ そんな彼女にどうして良いのか、ジューダスには分からなかった 『大丈夫ですよ』 シャルがリサに声をかけた 『僕と坊ちゃんが覚えてます。今、忘れてないですから、きっと次だって忘れてませんよ。ね、坊ちゃん』 「そうだな。もっとも、お前の馬鹿さを早々忘れる事はないと思うがな」 ふっと笑ってシャルに同意してそう言ったジューダス 照れくさいのか最後に厭味が付く 「ひっどーいっ!そんな事言って覚えてなかったら殴るからねっ!」 「この僕が忘れるわけないだろう」 最初の論点からずれてギャーギャーと騒ぎ出す二人 「おーいっ!ジューダスーっ、リサーっ、何やってるのーっ?」 たったったっ、と走って近寄って来るカイル
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