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窓から見える空の色は薄暗く星はない。
飛鳥(アスカ)はそれを時々視界に映しながら声を上げる。
「…ッン……ハァン…もっ…と……ッン…」
「飛鳥…あいつ、聞いてるぜ…ンッ…もっと声出せよ」
直樹はそんな飛鳥の耳元で囁く。
ふぅっと息が耳にかかると更に体は反応する。
事の終わりにはいつも一筋の涙を流す。
あなたを想って…。
その後直樹はいつも飛鳥をぎゅっとその腕の中に抱きしめる。
…ああ、この香り…
春樹の匂いと同じもの。
直樹は飛鳥を抱く時はいつも付けている香水を避ける。
その香りは春樹のものではないから。
直樹と春樹は血の繋がった兄弟だ。
私は春樹が好き。
じゃあ何故その兄に抱かれているのか。
そんなの簡単な事よ。それが私の春樹への"愛"だから…
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