54人が本棚に入れています
本棚に追加
警官が部屋を出てから数十秒後…。沈黙を破ったのはアーチェの声だった。
「うん…ごめんなさい。私の勘違いだったみたい。」
申し訳なさそうな顔をしながらも、彼女は冷静にそう言った。
「へ?」
訳も分からず呆然とする青年。
やがてアーチェから何故このような事態になったのか、が説明された。
話は一か月前にさかのぼる。
ここ“セントルシア”は、近年急速に発展し始めた都市であり、ビル・駅・娯楽施設の建設など、都市化が進んで来た。
それだけなら良かったのだが、それに伴って“犯罪の増加”が浮き彫りになってきたのだ。
当然ながら警察にも迅速な対応が求められたが、その急激な増加についていくだけで精一杯で、未だ犯罪の抑制には至っていない。
そんな警察をさらに苦しめたのが“昏きもの”による犯罪と、その事後処理、である。
最初のコメントを投稿しよう!