事件と少女と青年と①

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警官が部屋を出てから数十秒後…。沈黙を破ったのはアーチェの声だった。 「うん…ごめんなさい。私の勘違いだったみたい。」 申し訳なさそうな顔をしながらも、彼女は冷静にそう言った。 「へ?」 訳も分からず呆然とする青年。 やがてアーチェから何故このような事態になったのか、が説明された。 話は一か月前にさかのぼる。 ここ“セントルシア”は、近年急速に発展し始めた都市であり、ビル・駅・娯楽施設の建設など、都市化が進んで来た。 それだけなら良かったのだが、それに伴って“犯罪の増加”が浮き彫りになってきたのだ。 当然ながら警察にも迅速な対応が求められたが、その急激な増加についていくだけで精一杯で、未だ犯罪の抑制には至っていない。 そんな警察をさらに苦しめたのが“昏きもの”による犯罪と、その事後処理、である。
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