事件と少女と青年と①

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話を戻そう。 彼ら《昏きもの》は、そのほとんどが平和な暮らしを望んでおり、一部を除けば、事件を起こすことは、まずない。だが《昏きもの》による事件は、彼らの力の強大さゆえに、抑制が困難で、万一その場に居合わせたとしても、並の人間では太刀打ちできないのだ。 それでも、人は解決を求める。セントルシア警察としても放っておくことはできず、最近やっと《昏きもの》事件の対策、捜査、解決を専門とする“陰契課”を設置したが、一部の者にしか知られていない存在である《昏きもの》を扱う上に、命の危険が伴うため、人員と資金が集まらず、現在“陰契課”はあの有様というわけだ。
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