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『パァン!!』
一発の銃声と共に弾丸が青年の足元に突き刺さる。それも1mmの間隔も開けず正確に、である。
「言ったでしょ。力ずくでも拘束するって。」
少女は青年を見据えたまま言う。
「おとなしく捕まってくれるわね?」
「は、はい…。」
少女の迫力に圧倒され、青年はただそれだけしか言うことができなかった。
手錠をかけられ連れてこられたのは“セントルシア警察署”と書かれた建物、の裏口。
夜遅くのためか、署内に人はほとんどおらず、青年は少女に言われるままに牢に入り、しっかりと鍵をかけられるのを見ることとなった。
「ふぇ、ふぇ、ふぇ、ふぇっくしょい!!」
室内とはいえ、牢の中。冷たいベッドで毛布一枚はかなり寒い。
「う~寒い。さすがに夜は冷えるなぁ。」
本日二回目のその言葉。気付いているのか分からないが、程なくして青年は眠りについた。
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