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『カツコツカツ』
少し速いペースで歩く少女についていきながら、青年は建物の内装をキョロキョロと見ていた。
真っ白な壁に、丁度良い明るさの白色の蛍光灯。天井(これも真っ白)に設置されている案内板も綺麗な色をしている。
(けっこう設備の整った建物かなぁ)
そんなことを思いながら歩いていると、天井に“取調室→”と書かれた案内板が見えた。が、少女は方向転換して全く逆の方に歩いていく。
「え?取調室はあっち…。」
「あなたはこっち。」
青年の問いに間髪いれず答えた少女。それ以上会話をすることもなく、そのまま連れていかれる。
進むにつれて人の数が少なくなるのを青年は不思議に思いながら、やがて少女の足が止まった。
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