真理

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真理の話は続く 「それでね、真理は いらない人間だからね 死んじゃっていいよってね 言ったの・・・」 「それでどーしたの?」 「それでね、ショウくんが いるから死ねないよって 言ったらね、ショウくんは 必要ないって言ってたって 言うの」 「うん・・それで?」 「それでね、こびとからね 隠れようとしてね 押し入れにね 隠れてたの」 うーん・・・わけわからん 病んでますなぁ だいたい、こびとは 押し入れからでてきたのに 押し入れに隠れるかぁ? んー言葉がみつからない 僕は押し入れの中を見て 「もうどこにもいないから 安心しろ」 と言ってふすまを閉めた すると真理は思い出したように また泣き始めた 僕はしっかりと真理を 抱きしめ布団をかぶった 大丈夫だよとささやきながら 髪を優しくなでた しばらくすると 真理の寝息が聞こえてきた 真理の寝顔はすごく 安心してるように見えた 明日病院でも連れていくか そう考えながら僕も 眠りについた
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