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お母さんの話では
2年程前にも
病院に入っていて
だいぶ落ち着いてきたから
県外に出る事を許したという
僕は遅ればせながら
自己紹介と今の生活状況を
話した
病院の待合室で話しを
してると医者が通りかかり
こちらへやってきた
お母さんが頭を下げる
状況からいくと
実家に戻ったほうが
いいだろうと医者は語る
僕はどうしていいか
わからなかった
何が真理の為になるのか?
お母さんからも
実家に連れて帰る事を
了承してくれと頼まれる
確かに真理の今の状態だと
仕事すら厳しい・・・
ひろちゃんもそうしたほうが
いいと言った
「いつ連れて帰るんですか?」
ボソッと僕が尋ねる
お母さんは考えた顔をして
「もう今からがいいわよね」
と言った
わかってはいたが
突然すぎる
まだ整理がつかない
「今日・・ですか・・・」
「荷物は着払いで送って下さい」
「はぁ・・・」
「また真理が興奮すると
いけないから会わずに
帰ってくださる?」
お母さんも頭をかかえながら
言いづらそうに僕に言った
僕はゆっくり席を立った
「今まで真理の事
ありがとうね」
最後にお母さんは優しく
微笑んだ
「すみませんでした」
深く頭をさげ
僕は病院を後にした
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