ひろちゃん(外伝)

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その女はタトゥーを入れてから 毎日のように来店しては 湯水のように金を落としてくれた 出勤前はホテルで会った ベッドに寝てると 乙女のように俺のタトゥーを 触っては満足そうな顔を していた 「また一緒にタトゥーいれよ」 「どうしても?」 「ちゃんとお金も上げるから」 この女は金で全てが買えると 考えている 嫌いじゃないけど・・・ 何度も何度も このお願いをされた 気がつくと俺とその女は 同じタトゥーが両腕に びっしりと彫られていた 俺は、この客だけが 客じゃない 他にも顧客が沢山いる 店外デートも付き合わないと 金を落とさないシビアな 顧客たち・・・ 俺は全ての要求にこたえた このハードな仕事を 支えたのは覚醒剤だった 俺はかなり常用者だ ミネラルウォーターで 溶いて注射器で打つ おかげさまで 24時間でも 48時間でも戦えた
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