267人が本棚に入れています
本棚に追加
それからあの女は
パッタリと来なくなった
やっぱり覚醒剤は
行き過ぎたよな
そう考えながら
他の客の接客をしていると
ヘルプがひとり来た
「ヒロさん、店の外に
例の女経営者来てます
呼んでますよ」
と小声で耳打ちした
「ちょっとごめんねー」
その席をヘルプに任せて
店の外に向かった
俺は頭にきていた
そこまで来てるなら
入ってこいよと思った
「お待たせ」
しかし金持ちに弱い俺
笑顔で店の外に出た
女の変貌ぶりにガク然とした
目の下にくまができ
かなり痩せこけている
「うわ、どうしたの?」
「ねぇ警察に捕まっちゃう」
「ばれたん?」
「ごめんね、一緒に死んで」
そう言ってバックから
包丁を出した
ヤバイヤバイ
こいつ本気や
そう思った瞬間
女は俺にむかってきた
グサッ
必死に体をかわしたが
包丁は俺の腕をかすった
スーツの下から
血が流れてきた
どうする?
もう客じゃないよな?
「ふざっけんな」
とっさに女を蹴り飛ばした
女は逃げるように走っていった
最初のコメントを投稿しよう!