性欲と登校拒否

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朝、親が僕の部屋のドアを けたたましく叩く 「学校遅れるよ」 わかっているが 気がのらない 親の手前 とりあえず家は出た 近くの公園のベンチに 腰をおろした みんなアリのように 登校していた バスを待つ大人達は すし詰め状態で会社へ 向かっている あんな風になりたくないなぁ そう思いながら 親が仕事に出ていくまで ぼーっとしていた 親が出ていったあと ひそかに家に戻った 教育テレビを見たり 昼ドラ見たり ギター弾いたり ただ早く時間が過ぎるのを 待った シンジとは遊ばなくなったが ドラムのタカと よく遊ぶようになった タカに登校拒否の楽しみを 教えた それから毎朝公園で落ち合い 音楽の話をした タバコも吸いはじめた タカは、まだふかしている 学校からの連絡により 発覚した登校拒否だが 無理矢理行かせるのは 困難である 人生を左右する大事な時期に 楽した罪は 人生をかけて自分自身が 償っていかなければ いけないのだ
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