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「真理、また一緒に 暮らさないか?」 真理の動きが止まった 真理は下からじっと 僕の目を見ていた しかし何のアクションもない 「しばらくは遠距離でも 構わないしさ・・・ それで落ち着いたら また暮らそうよ」 僕は真理を失いたくなかった なりふり構わずに 口説いた 「ショウくんと暮らしたい」 真理の頬を涙がつたった 僕は涙を拭ってあげた 「泣くなよ」 「ショウくん、でもね・・」 でもね? 「やっぱり無理だよ 別れよう」 別れよう? 想定範囲の言葉だったが キツイ! 「何でだよ?真理は 好きなんだろ?」 真理は黙ってうなづいた 「好きだから別れたい 今ならまだいい思い出に できるから」 「訳わかんねーよ! 真理は元気じゃん」 僕は少し声を荒げた すると真理はうつむき 震えた声で話しだした 「元気じゃないんだ・・・ ホントは毎日ひどいんだ 今日は頑張ってるんだ もう迷惑かけたくないんだ」 真理の心の底からの 正直な気持ちに僕は 何も言い返すことが 出来なかった・・・
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