一家離散

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その後も加藤と一緒にいると たびたび喧嘩を売られ よく青アザをつくっていた 自分が何様かわからなかったが 離れる事は可哀相で出来なかった 高校も1年が終わろうとするころには 昔いじめっ子だった奴らも 対等に話すようになっていた なんて小さい世界で 悩んでたんだろう 死んだほうが楽なんじゃないかって 思ったこともあった 勇気をだすって 結構簡単なんだと感じた 逃げていちゃ駄目なんだ ここで気付いたつもりだった ある日 両親が僕に話があると 深刻な顔で言ってきた 訳がわからなかったが とりあえず聞いた どうやら父親が保証人に なっていた人が夜逃げしたらしい 代わりに支払う為に 離婚するというのだ 僕は即答で 「離婚すればいいやん」 と答えた まったく興味のない話で 肩の力が抜けた たいした話じゃないと思ったが 甘かった 僕は2次募集で かなり学費がかかる高校に 通っていたのである
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