就職

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シンジの部屋はワンルーム マンションだ 当たり前だが 風呂もトイレもある 今まで住んでいた下宿では 共同風呂、トイレだったから すごく新鮮だった シンジは仕事が決まっているが 僕は急いで仕事を探し出した 「焦らなくていいよ」 シンジはそう言ってくれた だけど貯金があるわけでもなく 現実はシンジに食べさせてもらう状態 居心地はよかったが 精神的にきつかった だが僕には車の免許がなかった バイトならあるのだが 就職となると免許は必須だ スーツを着て面接に行く訳 でもない僕をどこの会社が 正社員として雇うだろうか 甘い考えで地元を飛び出したが 壁にぶつかった シンジとの仲までも 少しギスギスしてきた これが最後と決め 面接に向かった 新聞販売店だった 原付き免許以上という 求人情報にかけた ただし僕は配達をする訳じゃない 正社員が目的だ こんな高校中退の僕を 雇うだろうか 不安いっぱいで販売店に 着いた ひとつ深呼吸して 元気よく入っていった
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