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タケシは溶接作業員になった
私の目の前では
シンナーはしていない
私の家に仲間が
たまることも
なくなった
でもまだ暴走行為は
やっている
たぶん外ではシンナーも
やっていると思うけど
私にはそれを止める力はない
殴られたくないから・・
お腹に衝撃を与えると
流産してしまいそうだから
口を出さない
私のお腹はびっくりする位
大きく出ている
赤ちゃんがよくお腹を蹴る
元気だ・・
幸せな気持ちになる瞬間だ
タケシはあまり家に帰らなくなった
まだ若いし友達と遊ぶのが
楽しいんだろう
私は淋しいけど
母になる強さを手に入れた
多少の事じゃ動じない
ガチャ・・
「ただいま」
めずらしくタケシが
夕方に帰ってきた
「おかえりお風呂ためるね」
私が立ち上がろうとすると
タケシが
「座ってくれ」
と言った
「なに?」
私は座った
「頼みがあるんだけど」
「だからなーに?」
聞き返すと
「俺、別れるわ」
と一言・・
「どういう意味?」
私と別れるって事??
まさかと思った
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