月収100万円

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僕は原田さんと離れ ひとりでまわりはじめた 最初に客が玄関から でてきたときは 頭が真っ白になり 覚えていたトークも 忘れて日本語がヘタな 外人みたいになったが 次第に慣れた 面接をしてくれた25歳の ひとは柴田という課長で かなりの鬼だ 契約が取れないと 夜中でも関係なく 訪問させる 契約は取れる訳がなく みんな怒られに行くような ものである なかにはバットを振り回しながら 追いかけてくる人や 警察を呼ぶ人がいた いろんな人がいるものだ 僕はようやく契約を とることができた 会社に帰り終礼で 初契約おめでとうと みんなに拍手された すごく気持ちがよかった 僕のグラフがひとつ伸びた 静香に早く教えたくて 山本さんとふたりで静香の 勤めるスナックに飲みに行った 「どうしたのー?」 静香はびっくりしていたが 初契約を取ったことを話すと 喜んでくれた 「嫁さんめちゃめちゃ綺麗だな」 山本さんが言った 「ありがとうございます」 僕は上機嫌だった
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