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静香はかなり憔悴していた
そして静香の腕の中には
産まれたての猿みたいな
赤ちゃんがいた
「ショウくん・・・」
小さな声で静香が言った
「静香よく頑張ったな」
そう声をかけると
目頭が熱くなり
何故か涙が止まらなかった
名前は静香と同棲をはじめた頃に
すでに決めていた
『春香』(はるか)
僕も恐る恐る抱きあげた
春香は僕の指をぎゅっと
にぎりしめ
離さなかった
何か忘れてた感情が
流れこむ
優しい気持ちでいっぱいに
なった
「静香、何かいるか?」
と聞くと
「一緒にいて」
と言った
「今日は休みとったけど
明日は休めないよ」
というと
哀しそうな顔をした
静香は1週間ほど入院しないといけないらしい
その日はずっと病室で
久しぶりに
静香と馬鹿話で
盛り上がった
次の日会社に行くと
みんなから祝って貰った
原田達がお祝いに
ラウンジを予約いれたと
言ってきた
あまり乗り気ではなかったが
「帰ってもひとりなんでしょー?」
と言われ
ついつい行ってしまった
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