崩壊

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部屋に戻ると ちゃっかり服を着ていた 「それで、どーするん?」 冷たく質問した ふたりともうつむいたまま 無言だった 考えてみると 僕も浮気していた しかし、こうまで目の前で 現場を見せつけられると 許しがたい 「静香!どう考えてんだ?」 「・・・ごめんなさい」 なんじゃそりゃ? そんな事を聞いてるんじゃ ない・・ 「山本!どうするつもりだ?信用してたのによ」 「ホントにすみません」 「静香さんが淋しいって 言ってきて・・ そういうつもりじゃ なかったんです」 またイライラしてきた こいつ静香になすりつけて きやがった 「それで?どう責任とるん?」 冷たく聞き返すと 「・・・・」 無言・・・ 勘弁してくれよ 完全にノリでやってるし 「山本、とりあえず お前クビだから すぐ寮出ていけ」 「・・・はい」 観念したようにうなづいた 「すぐ支度しろ」 と怒鳴るとパッと立ち 荷物をまとめ始めた 静香はまだ うつむいてる 僕はタバコに火をつけ 山本が出ていくまで待った 「ホントにすみませんでした」 そう言って深々と頭をさげ 逃げるように玄関にいく山本 「後で連絡するから 電話ちゃんと取れよ」 そう凄むと 「わかりました」 と言って部屋を出ていった
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