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部屋には静香と僕と春香
テレビの音だけが流れている
「離婚しかないな」
僕がそう言うと
無言だ･･･
頭の中でいろいろ
考えてるんだろう
「聞いてんのかよ？」
そう怒鳴ると
顔を上げ僕の顔を少し見て
またうつむく
静香の肩がヒクヒクしている
「春香はこっちで育てるからな」
そう言ったらまた顔を上げ
頭を横に振る
またイライラしてきた
「静香に選ぶ権利なんか
ないんだよ」
また怒鳴った
静香はジッと僕を見つめた
そしてようやく口を開く
「ショウくんだって
浮気してるでしょ」
あら？そこバレてんの？
「誰とだよ」
とシラを切ってみた
「飲み屋の佳奈って奴」
たぶん山本がしゃべったな
しかし証拠はないはず
しかも実際にもう連絡も
してない
「山本に何言われたか
知らないけど浮気なんか
してねーよ」
あまりに自信満々にいう僕に
静香は驚いた顔をした
やっぱり山本から
聞いただけで裏がとれてない
畳みかけるように続けた
「仮に浮気しても静香も
浮気したら一緒にいる意味
なくなるじゃん
あんな現場見た後じゃ
もう静香を抱く気も
起きないだろ」
そりゃそうだみたいな顔を
している
「もう無理だ、離婚しよう」
静香は泣き崩れた
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