No.1百合②

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まず百合の手際のよさに驚ろいた。水割りの量、濃さは常に一定、しかも会話をしながらでもその手は止まる事がなかった。 客が煙草を取り出せば、素早く火をつけ、灰皿に三本以上の吸い殻が溜まる事もない。 当然、会話も途切れる事がなく、他のホステスと違い会話に困って無理に歌も薦めない。 「昨日の私は一体なんだったんだろう…」 これが水商売なんだと明日香は感じた。 客が徐々に入って来て、その席を離れる事になった明日香。「ごちそうさまでした。」 そう言って再び違うテーブルへ… 他のホステスのテーブルについても百合の動きが気になる明日香。 他のホステスさんも素晴らしい、だけど百合さんにはかなわない。 そんな事を考えながら今日も閉店の時間となった。
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