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礼子が辞めた後、繰り上げ式に明日香はNo.2になった。
礼子から引き継がれた客は明日香の物となるが、やはり礼子には礼子の良さがあって、もう来なくなった人も多かった。
「やっぱり人のお客様は難しい…」明日香はそんな事を実感していた。
その頃明日香は、行き詰まっていた。
思ったように営業もうまく行かず、客足も減っていった。
「何が悪いんだろう…」
以前は何でも百合に相談していたが、ライバル関係になった今、相談は出来ない…自分の手が空いてる時には当然百合の客を相手にする事になる…
「どうして私が…」仕方のない事だが、明日香にはそれが屈辱に感じた。
だったら自分の客を呼べばいい話なのだが、電話をかけても「そのうちに」「近いうちに」の返事しか貰えない。焦りと不安が明日香を襲うようになる。
トップクラスになってから味わう初めての挫折だった。
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