未知の世界

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明日香は次の日に入店の運びとなり、『椿』の新人ホステスとなった。 従業員はバイトも含めて五人、とママ、厨房にも働いてる人がいた。 店の広さはかなり広く、収容人数はざっと40。スナックと言うよりは、クラブに近く、入口は自動ドア。店内には高級調度品が多く、中でも壁一面の油絵には絵心がない明日香にも、立派なものだと一目で分かった。 その日は平日で、女の人も少なく三人しかいなかった。 軽く自己紹介を済ました後に、No.1の百合が気さくに話かけてくれた。「緊張しなくていいから頑張ってね」 笑顔で「はい」と答えるのに明日香は必死だった。沢山のスカウトが合ったとは言え、実際この世界で働くのは始めて。緊張しない方がおかしい。 「私はこの店で働けるんだろうか…この世界でやっていけるんだろうか」と今頃になって心から何か込み上げる物と戦いながら、自分の気持ちを確認していた
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