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『そろそろ逝かなきゃね』
ドキリとした。
『本当はね、お兄ちゃんと遊ぶ約束してたんだぁ…』
「………」
『約束……破っちゃった』
テヘっとかわいこぶってはいるがうっすらと目に涙が溜まっている。
『あ、でもね!知らないお兄ちゃん!』
「…なんだ?」
『あのね、お兄ちゃんと遊んでるとね、なんだか本当のお兄ちゃんと遊んでるみたいで不思議で、まるでお兄ちゃんがお兄ちゃんみたいで……あぁん!もう!自分で言っててわけがわかんなくなってきちゃった!』
「ふっ」
『あー、わらったなぁ!!』
「悪い悪い」
とるに足りない会話。
昔に戻ったような懐かしい感覚が体を巡った。
ぶーっと頬を膨らます少女をじっと見つめていたかった。
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