ソレ

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しかし別れの時は訪れる。  『じゃあ知らないお兄ちゃん。最後に遊べて楽しかったよ!』 少女が笑顔で手を振ってくる。 ゆっくりと色味を失う。 人間は震える唇を精一杯動かして言葉を紡いだ。 「よかったな」 『うん!じゃ、ばいばい』   青白い少女は手を振りながら、まるで液体が分離していくかのように実体を失い、消えていった。 月明かりの下、プールサイドに人間が一人立っていた…。
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