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「あんね、俺の声が迷惑なくらいバカでかいのは、きっと耳が聞こえなくなったお前にも聞こえるようにって、神様が仕組んだイタズラなの。」
さっきとは違う神様がね。
心奈はわんわん泣いた。
俺のブレザーはもうびしょぬれだ。
「それでちょうど俺たちはバランスがとれてるんだ。」
「‥うん」
「だから俺とお前は一緒にならなきゃいけないの。」
「‥うん。」
「ずっと待ってるから、安心して手術頑張ってこいな。」
心奈は小さく頷くと、また俺の腕の中で泣き出した。
だからブレザー濡れるっての。
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