一人目のお客様

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「俺の代わりに…、眠る?」 俺は自分の耳を疑った。 どういうことなんだ? 人の代わりに寝るなんて、そんなこと…、 「そんなこと出来るはずないじゃありませんか!」 つい声を荒げてしまった。 それでもマスターは全く動じず、まぁ聞いて下さいと話を続ける。 「仕組みは残念ながら説明することは出来ません。 まあ、企業秘密というやつですね。 しかし、口でそう言っても理解してもらえないことは、承知しています。 ですから、お試しということで、1回無料で依頼をお受けいたしましょう。」 「依頼?無料で?」 なんとなく信じられないなと思った。 そんな上手い話が転がっているわけがない。 新手の詐欺か、もしくは手のこんだ悪戯だと思ったのだ。 しかしマスターは、あくまで真面目な顔で話を続ける。
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