一人目のお客様

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怪しいのは確かなんだけど、マスターが嘘をついているようには思えないし、言っていることも最ものような気がする。 ―まあ、いいか。 1回だけなんだし。 この店に来ることも、もうないだろうから。 「わかりました。 じゃあお願いします。」 「承知いたしました。 では1時まで、あと10分の間、ごゆっくりおくつろぎ下さい。」 そう言って、紅茶のおかわりをついでくれる。 また、心地良いマスカットの香りが俺の鼻をくすぐる。
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