一人目のお客様

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「それは言えません。 いわゆる企業秘密というやつでして…。 …と言いたいところなんですが、あなたは初めてのお客様ですしね。 このまま秘密にしておくと、いつまでたってもお客様が増えそうにありませんから…。 お得意様ということで、特別にお教えしましょう。」 ちょっと悪戯っぽい笑みを浮かべながらそう言う。 ―それにしても、 「俺が一人目のお客だなんて、なんか嬉しいな。」 俺は純粋にそう思った。 「初めてのお客様があなたのような人で本当に助かってます。」 「え?なんでですか?」
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