一人目のお客様

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「ああ、それでですね。 この店に来る方法でしたね。」 話が横にそれて、忘れてしまっていたらしい。 俺もすっかり忘れてしまっていた。 「はい。 そうでしたね。」 マスターはちょっと間を置いてからこう言った。 「三日月の出ている晩に、猫にお願いして下さい。 “自分の代わりに眠って” と。」 ―じゃあ俺は偶然が重なってここに来れたのか。 不思議とウソじゃないかと疑うことはしなかった。 店自体が不思議な雰囲気を持っていたからだろう。
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