一人目のお客様

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まあ、実際にそうやって来たんだし。 疑いようも無いのだけれど。 「何でそんなことで来れるのかは、企業秘密ですよね? やっぱり。」 悪戯っぽく聞いてみる。 「よくおわかりで。」 マスターも悪戯っぽく返してくれる。 そうこうしている間に、結構時間がたってしまったようだ。 「じゃあ、ごちそうさまでした。 俺もうそろそろ帰りますね。 会計お願いします。」 「ああ、結構ですよ。 初回サービスということで。 またのご来店をお待ちしております。」 そう言いながらニコッと笑う。 ―この笑顔どっかで見たことがある気がするんだけど…。 まあ、いいか。 「ありがとうございます。 絶対にまた来ますね。」 そう言ってドアを開け、外に出る。
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