一人目のお客様

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一人目のお客様

俺は高橋渡。27歳。民間企業に勤めるサラリーマンだ。 ある晩会社から帰る途中に、急に寄り道がしたくなって、ある公園に入っていき、ベンチに腰掛けた。 「月、きれいだなぁ。」 特に月が好きなわけじゃない。 なんとなく空を見たら、きれいな月が目に入っただけのこと。 そして、なんとなく視線をすべり台の方にやると、てっぺんのところに何かがいるのがわかった。 「誰かいるのか?」 思わず声をかけると、ソイツはゆっくりこっちを見た。 「なんだ猫じゃないか。」 猫は好きだ。子供の時、家で飼っていた。
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