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そう、一言で言うならば、春の日だまりのような人。
ポカポカしてるんだけど、暑すぎない。まどろむのに丁度良い感じの。
―癒されるなぁ。
そう思いながら、ずっとマスターの方を見ていた。
するとマスターが自分から話し始めた。
「この店にはメニューは一切ございません。お好きなものを言っていただければ、なんでもお出しいたします。」
「あっ、そうなんですか!じゃあ紅茶を。」
「かしこまりました。どのような種類がお好みですか?」
「ダージリンで。」
「はい。」
そう言うと、奥にある紅茶の缶から、お茶の葉を出してティーバックをつくり、それをティーポットに入れて熱いお湯を注いだ。
熱いお湯であればある程、紅茶は色も香りも良くなる。
お茶が出来るのを待つ間、カップにお湯をかけて、温めてくれている。
―こんなにちゃんと入れられた紅茶を飲むのは久しぶりだな。
俺はなんとなく嬉しくなってきた。俺の家ではよく家族全員で紅茶を飲んだものだった。
おいしいお茶菓子と一緒に。
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