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雨音
ガラスをたたき付けるように降り続く雨は、
テレビの音すら、掻き消して、
窓に透明な線を、いくつも流す。
真っ黒な雲に覆われた空に、
降り止む事のなさそうな雨は、
まるで僕の心のよう。
君に会うことの許されない僕は、
曇りがちな顔をして、
流せない涙を、雨にたくす。
降りしきる雨は、
僕の心の中に響き、
激しく打ち付けては、
小さな傷をたくさんつけて、はじけていく。
君に会えない。
ただ、それだけで、僕の心はこんなにも、
雨模様になるのだ。
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