第一章~出会い~

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初夏を伝える蝉の鳴き声がうるさく、陽射しが厳しい日のことだった。 春次は、この日もいつものように寝坊して、学校に向かうため、力の全てをペダルをこぐ動力に使って街中を自転車で突っ走っていた。 春次は、今年で高三になり受験を控えているが、全く先のことを考えず遊びほうけていた。 この日も昨日の晩遅くまでサッカーの試合を見ていたために、案の定、寝坊したのである。 順調に小道を縫うようにくぐり抜けてきたが、学校の手前にある大きな交差点に引っ掛かってしまった。 この交差点は、遅刻魔にとっては、星五つレベルの難関なのだ。
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