夏の帰り道

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テストが終わった帰り道 いつものバスには乗らないで 海沿いの道を歩いて帰った サエキがおごってくれた缶コーヒー ミホが変な顔で笑わすから 思わず吹き出してしまった 隣りのクラスのこじれた恋愛話 うわさの二人を更にうわさしながら 結局はなるようにしかならないよねと そっけなくコメントした 私たちはあまりにも純粋で 危ないくらい何かを信じていた 初夏の日差しに 制服が汗でにじんでも なんだかそれが嬉しかった 通りすがりの飼い犬に 吠えたてられて驚いた はずみで走りだしたミホと 甲高いサエキの笑い声が近くにある 追い越していく三本目のバス 乗っていたクラスメートの顔を見つけ 名前を呼びながら手を振り続けた 水平線の向こう側に 白い帆のヨットが浮かぶ 平凡でも なんだかいつもドキドキしていた 私たちの夏は     始まったばかりだ                                    image=96140528.jpg
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