第1章

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森に着いたローラだが、予想に反して森の中にもゾンビが居た。 ローラ「…ハッ…ハッ…ハッ」 ローラは、息を切らして必死にゾンビから逃げ回っていた。 普通のゾンビなら、多少走ればすぐに居なくなる…… だが、森の中には人間以外のゾンビが居た… ローラ「あんた腐ってんのに早すぎなのよ!!」 ローラは、その何者かに大声で悪態をついた。 それは、犬だった… 外見は、人間のゾンビと同じく所々腐敗していた… だが… どういう訳か、従来の運動能力を持ち合わせていた。 ゾンビ犬は、獲物を追う様にヨダレを垂らし、目を真っ赤に光らせ凄い早さでローラを追いかけていた。 ローラ「…もう…駄目…」 流石に、人間の脚力では犬の足の早さに敵う筈が無い… ゾンビ犬は、少しずつローラとの距離を縮めて行った… その時 ローラ「!!」 前方に、廃屋らしき物がそびえ立っていた。 ローラ(…あれに隠れよう!) 中にもゾンビが居る可能性は有るが、今のローラにはそんな事を考える余裕は無かった。 ローラ「……ン!!」 ローラは、最後の力を振り絞った… 全ての集中力を自らの足に集中させた。 だが、ゾンビ犬との距離は極僅かだった。 ローラ「お願い!!間に合って!!」 ローラの手が廃屋の扉に触れる ゾンビ犬が飛び掛かる為に跳躍した… だが…… バタン! ローラが中に入り扉を閉める行動の方が僅かに早かった。 扉の向こうからドアを叩く音と、犬の泣き声が聞こえたが、しばらくすると収まった。 ローラ「…フゥ…」 ローラの体からは、今更になって、汗がドッと吹き出して来た。 心臓が胸の奥で暴れ回っている。 ローラにまで心臓の鼓動が聞こえてきそうだ。 ローラ「…助かったぁ…」 一頻り落ち着いた所でローラは、一気に膝を崩した。 その時… ?「…何がや??」 背後から声が聞こえた。
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