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白き壁
目の前に壁がある
どこまでも果てしなく続く
真っ白な壁がある
壁に手をかざす
冷たい壁
反対側には何があるのだろうか
壁に耳を当て反対側の音を探る
何も聴こえない
白き壁よ
何のためにここにある
何か逃さないための仕切りなのか
これから先に進ませない仕切りなのか
越えられない壁なのか
越えてはいけない壁なのか
白き壁よ
白き壁よ
ここが自分の行き着く限界なのか
白き壁を殴りつけ
拳から滲む赤い色が
白き壁に流れる色を一つ付けていった
まるで
頬を伝う涙の代わりのように
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