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自分の葬式で寝るという暴挙に出た司の頭を、周りにバレないようにコツンと叩いた。
「ってえええっ!」
相変わらずの大袈裟なリアクションに驚くことすらせず、衛はジッと床を見つめている。
反応すらしてくれない衛に腹が立ったのか、妖しげな笑みを浮かべた司が背後に周り込む。
そして背中をスゥー……と撫でられ、衛はビクッと身体を震わせてしまった。
「衛? どうしたの?」
異変に気が付いたのか、横に座っていた母親が小言で話しかけてくる。
「なんでもない」と首を横に振りながら答えると、母親は不思議そうな顔をしながら前方に視線を戻した。
「ばっか、俺にケンカ売っちゃまずいって分かんないのか?」
ニコニコと勝ち誇った笑顔で顔を覗き込んでくる司にキッと睨みを送れば、やり過ぎたと思ったのか、シュンと落ち込みながら司はどこかへと行ってしまった。
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