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「相変わらずお堅いんだから…」
苦笑いを浮かべた司が、ゆっくりと衛の髪を撫でる。
ビクッと体を震わせたのを面白がるように、首筋にフッ…と吐息を吹きかければ。
反射的に背筋をピーンと伸ばして、衛の怒った顔が覗かせて。
その顔にイタズラ心に火をつけられた司は、右耳の後ろに唇をつけてきて。
「やっ…まも……る…っ」
可愛い悲鳴をあげるお姫様にもっとイタズラをしようとした時、玄関が開く音がして、惜しいながらも断念せざるを得なかった。
やっと司のイタズラから解放された衛は、ヘナヘナと力なく床に倒れて。
司を見ればクスクス笑っていた。
自分の中から湧き出る何かを感じ、床に落ちている参考書を拾い上げて、全力の力で司の頭へと振り落とした。
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