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「ぐっわぁ!?」
勢いよく振り落とした参考書は司の体をすり抜けて、代わりに衛の両手が頭に直撃して。
「いった…」
まさか自分の手で攻撃するとは思っていなかったから、痛む両手を涙目で見つめ。
そして品のない声と共に、フローリングの床に倒れた司に睨みをプレゼントして。
「…衛、ご飯食べる?」
遠慮がちにドアの向こうから聞こえてきたのは母親のものだと解り、「後で」と適当に受け流した。
「いってぇー…
酷いって、暴力罪だって」
「ならそっちはセクハラだと受け取っていいのね?」
グサリとトドメをさされた司は、悔しそうな顔をしながらベットに座って。
やっと口を開いたと思えば、それは私の想像してなかったことだった。
「言うの遅れたけどさ、今日から成仏するまでの間、ここで暮らすから」
淡々と述べた司の言葉が理解出来なくて。
でも間違いなく、自分に危険が迫っていることを伝えてきて。
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