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次の日、司の体は小さな壷に入って墓の下に眠った。
衛は誰にも見えない、司の手を握ってその光景を見ていて。
不思議な気分が自分を包んだのが解った。
凄く悲しい思いと、まだ横に居てくれてる安心感。
不謹慎だけど、司が自分だけには見えるのが、心から喜んでいる。
そんな自分が馬鹿だとしか思えなくて。
司の手を握る手に、ギュッと力を込めた。
「…ずっと一緒に居るから」
そんな衛に、顔には微笑みを、言葉には優しさを。
他の誰にも聞こえないその言葉は、衛の押し込めてた涙を出すきっかけになった。
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