見えちゃった!?

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  ―*―    皆が黒服を身に纏い、すすり泣く者、止めどなく溢れる涙を隠せない者、涙は枯れ、ただ事実を受け止めれない者など、たくさんの人が葬式に来ていた。   「衛ちゃんは……?」   「裏で一人で居るって……」   「本当に、仲が良かったからねぇ……。今はそっとしておいてあげましょう」    二人を知る者が口々に心配する中、司の家の裏にある小さな庭で衛は一人立っていた。  涙は流れることなく、ただただ司が居なくなったことを受け止められないまま。   「司のくそ馬鹿…」    ポツンと呟いて地面に落ちている小石を手に取り、思いっきり壁に向かって投げつけた。
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