幽霊なアイツ

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   名前を呼ばれた司は嬉しそうに頭を頷かせ、体中に感じる温もりに衛は驚きを隠せない。   「死んだんじゃなかったの……?」   「死んだよ? 車にはねられて即お陀仏ってやつ?」    会話を楽しんでいる司は、さらに力を込めてギュッと衛を抱き締める。   「嬉しいよなあ。うちの親なんか真横で手ぇ振ってんのにシカトだぜ? なのに衛は俺見えてるなんて……、愛の力ってやつなんじゃね!?」    恥ずかしいセリフをよくこの状況で口から出せるものだと、衛はため息をつかずにはいられない。    だけどその言葉の一つ一つが確かに自分の耳に入ってきて。  それが自分の求めていたものだと解って。
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