706人が本棚に入れています
本棚に追加
/367ページ
名前を呼ばれた司は嬉しそうに頭を頷かせ、体中に感じる温もりに衛は驚きを隠せない。
「死んだんじゃなかったの……?」
「死んだよ? 車にはねられて即お陀仏ってやつ?」
会話を楽しんでいる司は、さらに力を込めてギュッと衛を抱き締める。
「嬉しいよなあ。うちの親なんか真横で手ぇ振ってんのにシカトだぜ? なのに衛は俺見えてるなんて……、愛の力ってやつなんじゃね!?」
恥ずかしいセリフをよくこの状況で口から出せるものだと、衛はため息をつかずにはいられない。
だけどその言葉の一つ一つが確かに自分の耳に入ってきて。
それが自分の求めていたものだと解って。
最初のコメントを投稿しよう!